在留資格『経営・管理』の新要件に関するウワサを検証!-「3,000万円は現金のみ?」「職員は外国人でもOK?」
昨年7月の記事でもお伝えした通り、在留資格「経営・管理」の許可基準が大幅に改正され、要件の厳格化(資本金等の出資総額3,000万円以上、常勤職員1名以上など)が実務に大きな影響を与えています。
そんな中、事業者様やご相談者様から「個人事業主でも3,000万円のキャッシュが必要なの?」「日本人の職員を2人以上雇わないとダメなんでしょ?」といった声が多く寄せられています。制度の過渡期ということもあり、様々な解釈や過去の古いルールが入り乱れているようです。そこで今回は、出入国在留管理庁の公式Q&Aから要点を抜粋し、実務上の「正しい解釈」を整理してみました。
👄ウワサ①:「個人事業主でも、3,000万円をずっと『キャッシュ(現金)』で持っていないとダメ?」
【結論】キャッシュ(預金残高)のまま置いておく必要はありません。 入管庁が求めているのは、あくまで「事業に投下された出資総額(事業規模)」です。 法人の資本金としてだけでなく、個人事業主の場合であっても、事業を営むために購入した設備、店舗やオフィスの敷金、備品、仕入れ費用などはすべて「出資額」としてカウントされます。 「見せ金」として一時的に借りて口座に入れておくような行為は厳しく審査されNGですが、事業のために正当に使われている(投資されている)金額の合計が基準を満たしていれば問題ありません。
👄ウワサ②:「常勤職員は日本人を2人以上雇わないとダメ?」
【結論】新基準では「1人以上」で要件を満たします。また、日本人である必要もありません。新基準で求められているのは「常勤職員等1人以上」の雇用です。過去の古いルール(資本金要件を満たさない場合の代替要件であった「2人以上」)と混同されている方が多いですが、現在は1人で足ります。
👄ウワサ③:「じゃあ、留学生や外国人の友人を常勤職員として雇ってもだいじょうぶ?」
【結論】就労制限のない身分系在留留資格を持つ外国人ならOKです! 外国人であっても常勤職員としてカウントされますが、決して誰でもよいわけではありません。入管庁のQ&Aでも明記されている通り、対象となるのは「就労制限のない在留資格(永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者、特別永住者)」を持つ方に限られます。 「技術・人文知識・国際業務(技人国)」などの就労資格の方や、「留学」(資格外活動許可でのアルバイト)資格の方は、経営・管理ビザにおける「常勤職員」としてはカウントされませんので、採用時には十分な確認が必要です。
<弊所のサポートについて>
「経営・管理」ビザは要件が厳格化されたことで、これまで以上に「客観的な事実に基づいた事業計画」と「正確な出資額・雇用状況の証明」が不可欠になっています。ネット上のウワサや自己流の解釈で申請を進めてしまうと、不許可という取り返しのつかない結果を招きかねません。「うちの設備投資は出資額として認められる?」「いま面接している外国人は常勤職員の要件を満たす?」など、少しでもご不安な点がございましたら、お早めに弊所へご相談ください。国際業務の専門知識と長年の現場感覚を活かし、事業主様・ご担当者様を全力でバックアップいたします。
(2026年10月施行予定) 入管手続の手数料が歴史的な大幅値上げへ ~永住20万円、更新は期間に応じた段階制に~
外国人材の雇用をご検討中の企業様や、日本にお住まいの外国人の皆様やそのご家族様に、実務上極めて影響の大きい法改正のお知らせです。
2026年5月末に成立した改正入管法に基づき、在留資格の変更・更新、および永住許可申請等の入管手数料(許可時に納付する収入印紙代)が、本年(2026年)10月1日より大幅に引き上げられる見通しとなりました。 7月3日には出入国在留管理庁から具体的な金額案が示され、現在パブリックコメントにかけられています。これまで「一律」だった手数料が「段階制」になるなど、制度の根本的な変更が含まれていますので、ポイントと注意点を整理してみました。
1.改正の概要と「具体的な金額案」:
現在の入管手数料は、昨年(2025年)4月の改定により、在留資格変更・更新が6,000円、永住許可が10,000円となっています。 しかし今回の法改正で、法律上の上限額が「変更・更新は最大10万円」「永住許可は最大30万円」へと一気に引き上げられました。現在入管庁が提示している具体的な手数料案(窓口申請の場合)は以下の通りです。
● 在留資格変更・在留期間更新 (現行)一律 6,000円 ➡(改定案)許可される在留期間に応じた段階制へ ・3か月以下:10,000円 ・1年:33,000円 ・3年以上5年未満:64,000円 ・5年以上:75,000円
※オンライン申請の場合は若干の割引(数千円程度)が検討されています。
● 永住許可 (現行)10,000円 ➡(改定案)200,000円(窓口対応のみ)
2.なぜこの改正が重要(要注意)なのか?:
最大のポイントは、更新や変更の手数料が「許可される在留期間が長くなるほど高額になる」点と、「永住許可が現在の20倍に跳ね上がる」点です。 外国人ご本人にとってはもちろん、ご家族(家族滞在)を呼び寄せている世帯にとっては、家族全員分の更新費用が一度に発生するため、極めて深刻な経済的負担となります。 また、採用時にビザ費用を企業側で負担・補助している事業主様にとっても、採用コストや維持コストの増加に直結する見逃せない問題です。
3.今後の実務におけるリスクと対策:
手数料(収入印紙)はあくまで「許可時」に納付するものですが、金額がこれほど高額化すると、実務上のプレッシャーはこれまでとは比較になりません。 特に在留期間の更新においては、「いかにして1回の申請で、より長い在留期間(3年や5年)を勝ち取るか」が非常に重要になってきます。仮に「1年」の許可しか下りなかった場合、毎年33,000円の高額な手数料と更新の手間が継続してのしかかってくるためです。
4.弊所のサポートについて:
新手数料の施行は2026年10月1日が目指されており、すでにカウントダウンは始まっています。まもなく在留期限を迎える方は、高額化する「前」の申請が可能かどうかの見極めが急務です。
一方で、特に「永住許可申請」をご検討中の方においては、少し異なる視点を持つことも重要です。 確かに、大幅値上げ前の駆け込み申請によって費用を抑えることは大きなメリットです。しかし、今後申請が一時的に殺到した場合、入管の審査体制が逼迫し、結果として審査の長期化や一時的な許可率の低下を招くリスクも否定できません。
逆に言えば、値上げ施行後は高額な手数料がハードルとなり、全体の申請件数が落ち着くことが考えられます。弊所としては、この「審査環境が落ち着くであろうタイミング」を敢えて狙うことで、許可率のアップを期すという戦略も有効な選択肢としてお勧めしております。目先のコスト削減にとらわれず、確実に許可を勝ち取るための「急がば回れ」の考え方ですね。
制度が大きく変わり、コスト負担が増す中、いつ申請すべきかの見極めと、専門的な知見に基づいた緻密な書類作成がこれまで以上に欠かせません。「うちの従業員の更新手続きはどう対応すべき?」「永住申請は今のうちにすべきか、あえて来年以降に待つべきか?」など、ご状況に応じた最適なタイミングをアドバイスいたします。ご不安な点があればお早めにご相談ください。
弊所では、国際業務の専門知識と長年の現場感覚を活かし、事業主様や外国人材の皆様を全力でバックアップいたします。複雑なビザ申請や今後のコンプライアンス対策は、ぜひ弊所にご一任ください!
(2025.10.16施行) 在留資格「経営・管理」許可基準が大幅に改正されました
ざっくり主な改正点を挙げてみました。
より事業の「実体」や経営の「安定性」が重視されることが明らかな要件の厳格化と言えると思います。
1.資本金等の出資総額500万円以上 ➡
3,000万円以上(要証明)
2.常勤職員の雇用義務なし ➡
常勤職員等1人以上を雇用する必要あり(要証明)
3.経営管理経験・学歴要件なし ➡ 経営管理経験
3年以上、修士以上の学位
4.日本語能力要件なし ➡ 申請者または常勤職員が
N2レベル以上5.事業計画書の専門家による確認義務なし ➡
公認会計士or税理士or中小企業診断士による確認が必要
6.自宅兼事務所が認められるケースあり ➡
原則不可
7.在留期間中の長期出国 ➡
正当な理由なければ不可
8.在留期間更新申請時の
公租公課の履行確認の強化
なお、既に「経営・管理」の資格で在留されている方が、今回の法改正の施行日から3年が経過する日(令和10年10月16日)までの間に在留期間更新許可申請を行う場合は、改正後の厳格化された許可基準に適合しない場合であっても、ただちに不許可になるわけではなく、経営状況や改正後の許可基準に適合する見込み等を踏まえて判断されます。つまり、施行日から3年を経過した後になされた在留期間更新許可申請については、改正後の許可基準に適合する必要があるわけです。
更新申請では特に8.「公租公課の履行確認の強化」にご留意いただくべきでしょう。「法人税」「法人住民税」「事業税」など事業所としての国税・地方税の納付状況はもちろん、今後は社会保険(健康保険・厚生年金)の加入・納付義務の履行確認が間違いなく従来に増して厳しくなります。「うっかり滞納」は厳禁です!
> 出入国在留管理庁HP 在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について
(2025.7.17施行) 在留資格「経営・管理」の在留期間更新申請における必要書類の追加について
在留資格「経営・管理」の厳格化等について報じられ論じられるようになって久しいところですが、7月17日施行にて、表題の通り在留期間更新申請時の提出書類が1点追加になりました。
何が追加になったのでしょうか...?
それは、
「直近の在留期間における事業の経営又は管理に関する活動内容を具体的に説明する文書」です。
従来は、活動の内容、期間及び地位を「証する文書(例えば定款の写しや株主総会議事録など)」を提出していましたが、今後はより詳細で具体的な説明が求められます。名義貸しや事業実体がないケースが多発した背景もあり、在留資格「経営・管理」に関しては流れとして厳格化の方向であることは確かでしょう。
あと、細かいことですが、これに伴い従来の「証する文書」の提出は求められないようです。とはいえ、実際の運用としては恐らく従来の「証する文書」も添付することになるでしょう。
今後の更新申請で提出が必要になる「具体的に説明する文書」は、現時点では任意様式なのですが、実はこの点が要注意です。私自身の海外での経営者ビザ申請時もそうでしたが、本人申請ですとつい「思い」が先行してしまいがちです。ムダなく要点を押さえつつ客観的事実に基づき合理的な説明を行うことが今後は益々重要になってくると思っています。
ぜひ弊所にご一任ください!